ウイスキーの種類
ジャパニーズウイスキーは大きく5つのタイプに分かれます。原料・蒸留方法・ブレンドの違いを理解すれば、自分好みの一本がきっと見つかります。
シングルモルト
大麦麦芽(モルト)100%を原料に、単一の蒸留所でポットスチル(単式蒸留器)を使って造られます。蒸留所の水、気候、蒸留器の形状、樽の選択がそのまま味わいに表れるため、「蒸留所の個性」を最もダイレクトに感じられるタイプです。
山崎はシェリー樽やミズナラ樽由来の複雑さ、白州は森の中の爽やかさ、余市は石炭直火蒸留による力強さが特徴。近年のクラフト蒸留所もそれぞれ独自のシングルモルトを生み出しています。
シングルグレーン
トウモロコシや小麦などの穀物を原料に、連続式蒸留器(コラムスチル)で蒸留します。モルトウイスキーと比べて軽やかでクリーンな味わいが特徴。単体で飲まれることは少なかったですが、近年は「知多」のようにシングルグレーンとして商品化される例が増えています。
ブレンデッドウイスキーにおいてはベースとなる重要な存在で、モルトの個性を引き立てながら全体のバランスを整える役割を担います。
ブレンデッド
モルトウイスキーとグレーンウイスキーを巧みにブレンドしたウイスキー。ブレンダー(調合師)の技術と感性により、単一原酒では実現できない複雑さとバランスを生み出します。
日本のウイスキー消費の大部分はブレンデッドが占めており、「響」は世界最高峰のブレンデッドウイスキーとして評価されています。ハイボールブームの主役もブレンデッドです。
シングルカスク
1つの樽からのみボトリングされるウイスキー。同じ蒸留所・同じ製法でも、樽ごとに味わいは千差万別。まさに一期一会の体験ができます。
カスクストレングス(加水なし)でボトリングされることが多く、アルコール度数は50〜60度になることも。ベンチャーウイスキーの「イチローズモルト」はシングルカスクリリースで世界中のコレクターを魅了しています。
クラフトウイスキー
2010年代以降、日本各地で小規模な蒸留所が次々と誕生しています。酒税法改正により免許取得のハードルが下がったことも追い風となり、2024年時点で稼働中・建設中を合わせて100以上の蒸留所プロジェクトが存在します。
厚岸(北海道)はスコットランドのアイラ島を意識した海辺の蒸留所、長濱(滋賀)は日本最小クラスの蒸留器、三郎丸(富山)は世界初の鋳造製ポットスチルなど、それぞれが独自のアプローチでウイスキーの多様性を広げています。