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REFERENCE — GLOSSARY

ウイスキー用語集

ジャパニーズウイスキーをより深く楽しむための専門用語を五十音順で解説。50語以上を網羅した完全版用語集です。

あ行
エンジェルズシェア(天使の分け前)
Angel's Share
樽熟成中にウイスキーが蒸発して失われる量のこと。日本の四季のある気候では年間2〜4%が蒸発し、スコットランド(1〜2%)より多いです。10年熟成では約20〜35%、25年熟成では半分近くが失われます。これが長期熟成品の希少価値を高める要因の一つです。
オフィシャルボトル
Official Bottle
蒸留所が自ら詰めてリリースするウイスキーのこと。独立系ボトラーがリリースする「インディペンデントボトリング」と対比される。
オールドボトル
Old Bottle
過去に生産・販売されたウイスキーのボトル。終売品・限定品・廃業蒸留所のものが高値で取引されるコレクターズアイテム。
オンザロック
On the Rocks
氷を入れたグラスにウイスキーを注ぐ飲み方。氷が溶けるにつれて徐々に加水・冷却され、時間とともに変化する味わいを楽しめます。大きな氷を使うと溶けにくくおすすめです。
か行
カスクストレングス
Cask Strength
樽から出したまま加水せずにボトリングしたウイスキー。通常は40〜46度に加水調整しますが、カスクストレングスは50〜65度の高アルコール度数のまま瓶詰めされます。原酒本来の力強い風味を楽しめますが、少量の水(トワイスアップ)を加えることで香りが開きます。
グリスト
Grist
糖化工程で使う粉砕した乾燥モルト。グリストの粗さ(ハスク・グリッツ・フラワーの割合)がウォートの収率と清澄度に影響します。
グレーンウイスキー
Grain Whisky
トウモロコシや小麦などの穀物を原料に、連続式蒸留器(コラムスチル)で蒸留したウイスキー。軽やかでクリーンな味わい。ブレンデッドウイスキーのベースとして重要で、近年はシングルグレーンとして製品化も増加。サントリー「知多」が代表例。
コラムスチル(連続式蒸留器)
Column Still / Continuous Still
グレーンウイスキーの蒸留に使う連続式蒸留器。パテントスチルとも。ポットスチルと異なり連続的に大量蒸留ができ、高純度のアルコールを効率よく得られます。
さ行
シェリーカスク
Sherry Cask
スペインのシェリー酒(オロロソ・ペドロ・ヒメネス等)の熟成に使われた樽。ドライフルーツ・スパイス・チョコレートのような風味をウイスキーに与えます。近年は入手困難になりつつあります。容量は通常500リットル(バット)。
シングルカスク
Single Cask
1つの樽からのみボトリングされたウイスキー。樽番号・蒸留年・瓶詰め年・本数が明記され、一期一会の個性が魅力。イチローズモルト カードシリーズが世界的に有名。
シングルモルト
Single Malt
大麦麦芽(モルト)100%を原料に、単一の蒸留所でポットスチルを使って造られたウイスキー。蒸留所の個性が最も鮮明に表れます。
スペイサイド
Speyside
スコットランドのスペイ川流域を中心とするウイスキー産地。世界最多のモルト蒸留所が集中。フルーティーで華やかなスタイルが多い。ジャパニーズウイスキーと対比されることが多い産地の一つ。
スピリットセーフ
Spirit Safe
蒸留液の流れを観察・選別するガラス製の密閉ケース。蒸留士はここを通じてフォアショット(頭留)・ハーツ(中留)・フェインツ(後留)を見極め、品質の良いハーツのみを樽詰め用に振り分けます。
ストレート(ニート)
Straight / Neat
加水も氷も加えず、ウイスキーをそのまま飲む方法。常温で飲み、ウイスキー本来の香りと味わいを最もダイレクトに感じられます。チェイサー(常温水)と交互に飲むのが基本マナー。
た行
チャー
Char
樽の内側を焦がす工程。焦がしの深さはNo.1〜No.4(ヘビーチャー)で表され、バニラ・キャラメルなどの風味成分(バニリン・ラクトン類)の生成量が変わります。バーボン製造法では新品の焦がした樽の使用が義務付けられています。
テイスティングノート
Tasting Note
ウイスキーの香り・味わい・余韻を言語化したもの。通常は①色調②ノーズ(香り)③パレット(口中の味わい)④フィニッシュ(余韻・後味)の4段階で表現します。
トワイスアップ
Twice Up
ウイスキーと同量の常温の水を加える飲み方。プロのブレンダーがテイスティングに使う手法。アルコールの刺激が和らぎ、隠れていた香りが開くため、特にシングルモルトやカスクストレングスに適しています。
な行
ニューメイク(ニューポット)
New Make / New Pot
蒸留直後の無色透明のウイスキー原酒。樽に入れる前の状態で、アルコール度数は約65〜70度。樽詰め前に加水して63〜64度に調整するのが一般的。穀物の青臭さとフルーティーさを持ちます。
NAS(ノンエイジステートメント)
No Age Statement
ラベルに熟成年数を表記しないウイスキー。「山崎 NAS」「白州 NAS」など。年数表記にとらわれずブレンダーが最適な原酒を選べるメリットがあり、高品質なものも多数存在します。
は行
ハイボール
Highball
ウイスキーを炭酸水(ソーダ)で割る飲み方。日本では2008年頃からブームとなり現在のウイスキー消費を支える主力の飲み方。ウイスキー1:炭酸水3〜4の割合が一般的。
バーボンカスク
Bourbon Cask
アメリカのバーボンウイスキー熟成に使われた樽(ホワイトオーク、200リットル)。バニラ・キャラメル・蜂蜜の甘い風味をウイスキーに与える最も一般的な熟成樽。アメリカでは法律により1回しか使えないため大量に市場に出回ります。
フェノール値(ppm)
Phenol Value (ppm)
ピート由来のスモーキーな風味成分(フェノール類)の含有量。ppm(百万分率)で表されます。0〜5ppmがノンピーテッド〜ライト、10〜20ppmがミディアム、20ppm以上がヘビリーピーテッドと分類されます。余市は約20〜25ppm。
ブレンデッドウイスキー
Blended Whisky
モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンダーが調合したウイスキー。バランスが良く安定した品質が特徴。日本のウイスキー消費の大部分を占める。響・角瓶・ブラックニッカが代表例。
ブレンデッドモルト(ヴァッテッドモルト)
Blended Malt / Vatted Malt
複数の蒸留所のモルトウイスキーのみを混合したウイスキー。グレーンは使わない。「モルト同士の掛け算」により複雑な風味を実現。竹鶴・季ハーモニーが代表例。
ブレンダー
Blender / Master Blender
複数の原酒を調合してウイスキーの味わいを設計する職人。チーフブレンダーはブランドの品質管理の最高責任者。嗅覚・味覚だけでなく、数千種の原酒の特性を把握する経験と知識が必要です。
ポットスチル
Pot Still
モルトウイスキーの蒸留に使う単式蒸留器。銅製の鍋(ポット)状の形状。背の高さ・ネックの角度・ラインアームの向きが酒質を決定づけます。日本の特徴は1蒸留所に複数の異なる形状のスチルを設置すること。山崎は16基を保有。
ピート
Peat
泥炭。湿地帯で植物が数千年かけて炭化した土壌。モルト乾燥時にピートを燃やすと、フェノール化合物がモルトに付着してスモーキーな風味が生まれます。余市は石炭とピートを使用。厚岸は北海道産ピートを使用しています。
ま行
ミズナラ(水楢)
Mizunara / Japanese Oak
日本固有のオーク(Quercus crispula)。この材で造った樽で熟成すると白檀・伽羅・線香のようなオリエンタルな香りが生まれます。材が柔らかく液漏れしやすいため製樽が難しく、香りの発達には最低10〜15年必要。希少で高価なジャパニーズウイスキー固有の素材。
モルト
Malt
発芽させて乾燥させた大麦。大麦を水に浸して発芽させることで、デンプンを糖に変える酵素(アミラーゼ)が生成されます。この乾燥工程でピートを焚くとスモーキーなフレーバーが付きます。
水割り
Mizuwari
ウイスキーを水で割る日本独自の飲み方。ウイスキー1:水2〜3の割合が一般的。繊細な和食の風味を邪魔しない食中酒として料亭やバーで長く愛されてきました。
や行
ヴァッティング
Vatting
同じ種類のウイスキー(モルト同士、またはグレーン同士)を混合すること。異なる樽・バッチの原酒を合わせて目標の味わいを作ります。モルトとグレーンを混合する場合は「ブレンディング」と呼びます。
ウォッシュバック(発酵槽)
Washback
発酵に使う大型の容器。木製(樺材・松材など)またはステンレス製。木製は特有の乳酸菌が棲みつき複雑なフルーティーフレーバーを生み出します。日本の多くの蒸留所が木桶を採用しています。
ウォート(麦汁)
Wort
糖化工程でモルトから得られる甘い液体。デンプンが酵素によって糖に分解されたもの。これに酵母を加えて発酵させると「ウォッシュ(醪)」になります。
ら行
ラインアーム
Lyne Arm
ポットスチルの首部分(ネック)から横に伸びる管。上向き(ライジングライン)だと蒸気が凝縮しやすく軽い酒質に、水平または下向きだと重い成分も蒸留されてリッチな酒質になる傾向があります。
リフィル
Refill
ウイスキーを2回以上詰めた樽。前の液体(バーボン・シェリー)の成分が減少しており、木材からの溶出も穏やか。繊細な熟成になり、長期熟成に向いています。ファーストフィルより価格は低くなります。
わ行・英数字
ワームタブ
Worm Tub
蒸留器から出た蒸気を冷却する装置。螺旋状の銅管(ウォーム)を水槽に浸したもの。現代ではシェルアンドチューブコンデンサーが主流ですが、余市などが伝統的なワームタブを維持しています。冷却効率が低いため銅との接触が長く、独特のリッチな風味が出ます。
ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)
International Spirits Challenge
世界最大規模のスピリッツ品評会のひとつ。英国で毎年開催。2001年にニッカ「シングルカスク余市10年」が金賞を受賞したことで、ジャパニーズウイスキーの世界的評価が始まりました。
WWA(ワールド・ウイスキー・アワード)
World Whisky Awards
世界各国のウイスキーを対象にした権威ある品評会。2014年(2015年ヴィンテージ)に山崎シェリーカスク2013がWorld's Best Whiskeyに輝いたことで世界に衝撃を与えました。